口腔粘膜のチェック、自分でもできる?

 前回は、かかりつけの歯医者さんを持ちましょう!とお薦めしました.

経験を積んだ専門家の意見は大切ですが、「まずは口腔がんを知る」ことや「口腔の大切さに気付く」ことからも、
気軽にできるセルフチェックも意味があります。
東京歯科大学口腔がんセンターが皆様にお配りしている「“口腔がん”早く見つければ怖くないーこんな時には専門医に相談しましょう-」
というパンフレットにも、セルフチェックが13項目載っています。

1.1日にたばこを40本以上吸う。

2.毎日、日本酒に換算して、3合以上飲む。

3.口内炎が2週間以上治らない。

4.抜歯した傷が治らない。

5.噛んだ傷が治らない。

6.入れ歯が当たってできた傷が治らない。

7.最近、歯が浮くような感じがする。

8.白っぽいできものがある。

9.赤くただれている。

10.硬いしこりがある。

11.舌が動かない。

12.口が開きにくい。

13.下唇や舌がしびれる。

たくさんあるように見えますが、1.2.については前回お話しました。
3.「口内炎が2週間以上治らない。」は要注意です。
糖尿病のある方や高齢者は若干直る時間が延長する傾向がありますが、それでも1ヶ月以上も直らないのは危険信号です。
4や5も同様です。普段、お肌の傷の治り具合にも注意を払っていると目安になります。
8は白板症といわれるよく見かける状態ですが、お口の中を観察すると歯の詰め物が当たっていたり、
歯が内側に傾いていたりすることがあります。
現代人はあごの骨の関係からおの中が狭くなるわりには、歯は小さくならないので、若い人にも当てはまります。
刺激に対して口腔粘膜が防御状態になっていることを表しています。
でも、9や10の症状がある場合はちょっと危険です。
さらに11-13の症状がある場合は、さらに問題でしょう。
口腔がんだけが原因でない場合もありますが、注意が必要です。すぐに専門医にご相談ください。

ご自分で回避できないリスクファクターの中には年齢があります。
老化による免疫力の低下と言われています。

また高齢になると食事中に誤って噛んでしまうことがよくありますね。
オーラルフレイルと言って、最近歯科医院でも耳にする言葉と思います。
舌を動かす筋肉などの機能低下と言われますが、実は口腔がんの場合、若い人でもお口の中に腫れや爛れがあると噛み間違うことも多々あるように思います。
色々な面から、ちょっとの注意を払うことで、口腔がんを防ぐことができます。

東京歯科大学でお配りしているパンフレットの表紙

市川総合病院にもありますので、お気軽にお声をおかけください。

                     2021.03.10

                     東京歯科大学市川総合病院臨床検査科病理

                     OC-Pad 研究所

                     田中 陽一